浄土宗の戒名・墓石・参拝作法|誉号とお十念の唱え方

chionin 先祖調査コラム
写真:ONO Masanobu/CC0、Wikimedia Commons。サイズを変更して掲載

浄土宗は、法然を宗祖とする宗派で、「南無阿弥陀仏」と称える念仏を中心とします。総本山は知恩院(京都市東山区)です。この記事では、浄土宗の戒名(誉号)、墓石、お墓参りの作法とお十念をまとめます。

知恩院の三門(京都市東山区)
知恩院の三門(京都市東山区)(写真:ONO Masanobu/CC0、Wikimedia Commons。サイズを変更して掲載)

基本情報

項目 内容
宗祖 法然。1175年(承安5年)、43歳のとき、善導の『観無量寿経疏』を機に専修念仏の道に進んだ年が、立教開宗の年とされています。
総本山・大本山 総本山は知恩院(白旗派を中心とします)。大本山は増上寺、金戒光明寺、百萬遍知恩寺、清浄華院、善導寺、光明寺(鎌倉市)、善光寺大本願です。
派 白旗派が現在の中心です。ほかに、浄土宗西山派(西山浄土宗、浄土宗西山禅林寺派、浄土宗西山深草派の3派)や、浄土宗捨世派(本山は一心院)があります。
唱える言葉 「南無阿弥陀仏」。阿弥陀仏に帰依しますという意味で、称える念仏を、阿弥陀仏が選び取った本願の行と考えます。

戒名の特徴

  • 呼び方は「戒名」で、浄土宗の案内では「法名(いわゆる戒名)」とも書かれます。
  • 鎮西派は、五重相伝を受けた人に「誉号」(○誉)が付きます。西山派では、誉号の代わりに「空号」が付きます。生前に受けられなかった故人のために行う回向を、「贈五重」と言います。
  • 戒名の順序は、「院号+誉号(または空号)+道号+戒名+位号」「院号+誉号(または空号)+戒名+位号」「院号+道号+戒名+位号」の3通りです。
  • 位牌には、法名(戒名)、俗名、命日、行年(享年)を記します。四十九日までは白木の「仮位牌」、その後は塗りの「本位牌」を仏壇に祀ります。

誉号は五重相伝を受けた人だけに付くため、誉号のない浄土宗の戒名もあります。「誉」の字がないことで、浄土宗でないと判断しないでください。構成の詳細は、戒名・法名・法号の構成をご覧ください。

墓石に記されること・墓石の構成

  • 墓石の正面には、名号(南無阿弥陀仏)や宗派の梵字を刻むことがあります。
  • 五輪塔を墓塔にする場合、上から「南無阿弥陀仏」を刻むことがあります。
  • 位牌では、阿弥陀如来を表す梵字「キリーク」を置く例が、位牌の項に記載されています。
  • 墓の種類は、墓石に遺骨を納める埋葬が主流ですが、永代供養墓、合祀墓、樹木葬、散骨などもあります。合祀墓や散骨は、一度納めたり撒いたりすると遺骨を集め直すのが難しいため、家族でよく相談するよう案内されています。
  • 墓の移転(お墓のお引越し)や分骨は、まず故郷の菩提寺とよく話し合うよう案内されています。

墓石の各部の名称は、墓石の構成と卒塔婆・五輪塔をご覧ください。

卒塔婆の特徴

今回確認した浄土宗の公式サイトには、卒塔婆の立て方についての記載がありませんでした。卒塔婆を立てるかどうか、書く内容は、菩提寺によって異なります。菩提寺に確認してください。

参拝の作法・唱える言葉

浄土宗の公式サイトに記載された、お墓参りの手順は次のとおりです。

  1. 菩提寺に墓がある場合は、まず住職に挨拶し、本堂の本尊にお参りします。
  2. 墓所に着いたら、合掌・礼拝をし、お十念を唱えてから、掃除をします。
  3. 掃除が済んだら、花(地方によっては樒)と線香を供え、墓石に水をかけます。
  4. 再び合掌して、お十念またはお念仏を唱えます。
  5. お供え物を置いていくことを禁じる墓地が増えています。花以外は持ち帰ります。

持ち物は、数珠、袈裟、線香、花、マッチかライター、清掃道具(手桶、柄杓、雑巾、タオル、ほうき、タワシ、ゴミ袋)です。墓参りに行けない場合も、ご先祖を想って手を合わせれば十分とされています。命日、正月、春秋のお彼岸、お盆のほか、進学や結婚などの節目にも参ることが勧められています。

お十念の唱え方

  • お十念は、「南無阿弥陀仏」を10回唱えることです。
  • 「ナムアミダブ」と8回唱え、9回目に「ナムアミダブツ」と「ツ」まで発音します。最後は「ナームアミダーブー」と、少し語間を伸ばして唱えます。
  • 8回を一息で続けるのがつらい場合は、「ナムアミダブ」を4回、一息入れてさらに4回唱え、その後は9回目と最後を同じように唱えます。
  • 菩提寺の住職が棚経やお墓参りで訪れたときは、いっしょにお十念を唱えます。

数珠

浄土宗では、輪を二つ重ねた二連の「日課数珠」を一般に用います。合掌するときは、親玉(少し大きな珠)が親指と人差し指の間にくるように二つの輪を手にかけ、房を胸側に垂らします。焼香などで合掌しないときは、左手首に掛けます。

宗派と墓石のほかのページ

参考資料

2026年10月24日に確認した内容です。宗派の中には、寺院・地域・時代によって扱いが異なる事項があります。先祖の墓や位牌について確認するときは、菩提寺または墓地の管理者に問い合わせてください。