臨済宗は、鎌倉時代の初めに栄西らが日本に伝えた禅宗の一つです。十五の派に分かれ、派ごとに本山があります。この記事では、臨済宗の戒名、墓石と墓塔、卒塔婆、お墓参りの作法をまとめます。曹洞宗は曹洞宗をご覧ください。

基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 日本での開祖 | 栄西。中国の臨済義玄を宗祖とします。 |
| 派と本山 | 建仁寺派(建仁寺)、東福寺派(東福寺)、建長寺派(建長寺)、円覚寺派(円覚寺)、南禅寺派(南禅寺)、国泰寺派(国泰寺)、大徳寺派(大徳寺)、妙心寺派(妙心寺)、天龍寺派(天龍寺)、永源寺派(永源寺)、向嶽寺派(向嶽寺)、相国寺派(相国寺)、方廣寺派(方廣寺)、佛通寺派(佛通寺)、興聖寺派(興聖寺)の15派です。 |
| 葬儀 | 故人を仏の弟子にするための式として、授戒・念誦・引導などで構成されます。 |
戒名の特徴
- 呼び方は「戒名」です。
- 院号を付けない場合が多く、院号の代わりに「軒号」を使う場合が多くなっています。大名家の信徒には、院殿号を用いることがありました。
- 妙心寺派では、生前戒名は授与されません。戒名は、菩提寺の住職に相談するよう案内されています。
- 位牌では、戒名の上に「空」の字を置きます。仮の位牌には「新帰元」と書き、本位牌で「空」に改めます。
構成の詳細は、戒名・法名・法号の構成をご覧ください。
墓石に記されること・墓石の構成
- 禅宗では、五輪塔に、下から「地水火風空」の漢字を刻むことがあります。
- 無縫塔(卵塔):卵形の塔身をのせた石塔で、禅宗とともに宋から伝わりました。高僧、特に開山の墓塔に用いられ、寺院の墓地に卵塔が並んでいれば、ほぼ歴代住持の墓とされます。建長寺の開山塔(蘭渓道隆の墓塔、1279年造立)が、その例です。
- 生前に建てる墓(寿陵):戒名や建立者の文字に朱墨を使い、埋葬時に朱を落とす方法があります。墓石や墓誌の朱色・白色の使い分けについて、妙心寺派としての規定はありません。
- 先祖代々の墓に入れる条件について、仏教や妙心寺派の規定はなく、菩提寺に相談するよう案内されています。

卒塔婆の特徴
臨済宗妙心寺派の法話では、お盆や施餓鬼供養で、新亡(前年の供養以降に亡くなった人)、先亡(先祖)、三界萬霊の卒塔婆を立て、供物を供える習慣があると説明されています。
参拝の作法・唱える言葉
- 妙心寺派の資料では、自宅や菩提寺で法要が行われた後に、墓に参って故人の冥福を祈ります。
- お盆の墓参りでは、花立に花を供え、水鉢に清浄な水を入れます。その後、蝋燭を灯し、線香を立て、墓前に手を合わせてお経を唱えます。供物は持ち帰るものが多いとされています。
- 唱える言葉の細かな規定は、派や寺院によって異なります。菩提寺の住職の指導に従ってください。
先祖調査での見方
- 院号がなく、軒号を使った戒名は、臨済宗の可能性があります。曹洞宗にも院号のない戒名があるため、決め手にはなりません。
- 臨済宗は十五派あります。菩提寺の本山を、寺院に確認してください。
宗派と墓石のほかのページ
- 宗派の一覧と墓石・戒名の見分け方
- 墓石の構成と卒塔婆・五輪塔
- 戒名・法名・法号の構成
- 天台宗の戒名・墓石・作法
- 真言宗の戒名・墓石・作法
- 浄土宗の戒名・墓石・作法
- 浄土真宗の戒名・墓石・作法
- 曹洞宗の戒名・墓石・作法
- 日蓮宗の戒名・墓石・作法
- 時宗・融通念仏宗・黄檗宗・南都系の宗派
参考資料
- 臨済宗(Wikipedia)
- 戒名(Wikipedia)
- 五輪塔(Wikipedia)
- 無縫塔(Wikipedia)
- 位牌(Wikipedia)
- 仏事・法要について(臨済宗妙心寺派)
- 施餓鬼供養に思う(臨済宗妙心寺派)
- 共にまなび 共におがむ(臨済宗妙心寺派)
2026年10月24日に確認した内容です。宗派の中には、寺院・地域・時代によって扱いが異なる事項があります。先祖の墓や位牌について確認するときは、菩提寺または墓地の管理者に問い合わせてください。


